モバイル対応として、情報量をモバイル向けに制限した個別サイトを制作するやり方がありますが、ユーザが複数端末で同じウェブサイトにアクセスすることを考えると、そのような対応は見直していく必要がありそうです。たとえば、Amazon.co.jpではモバイルに最適化した個別サイトが用意されています。サイト自体は素晴らしく、たとえばデスクトップ版で保存した「欲しいものリスト」をモバイルで閲覧するなど、基本機能は充実しています。しかし、モバイル版にはアソシエイトの情報へのリンクが見るけられませんでした。たとえば外出先からスマホではあまり使い勝手の良くないPC版サイトを使わなくてはなりません。
2.ユーザ体験を総合的に考えた対応レスポンシブWebデザインはモバイル対応の有力な候補の一つです。レスポンシブWebデザインでそれぞれの端末にどこまで「最適化」できるかはこれからの課題ですが、大きな可能性を秘めた手法です。ターゲットとするにユーザ、ビジネスゴール、予算、運営体制などと合致するのであれば、たとえば、レスポンシブWebデザインで作ったウェブサイトに加えて、あるタスクに特化したモバイルアプリを提供するのが最適な場合もあると思います。どのような手法であれ、ユーザ体験を総合的に考え、使用の異なる複数の端末でウェブサイトが閲覧されることを想定したウェブ制作は、生き残りのための必須条件になります。
引用元 : 渡辺 竜 著 レスポンシブWebデザイン