現在のウェブが置かれる状況を見ても、たとえば、アメリカのOpen DignalMapsの調査結果によると、195カ国でAndroid端末の機種数は3,997種類もあったそうです。ユーザがどのようなスクリーンサイズの端末で、どのようなOSやブラウザでウェブサイトにアクセスするかを想定するのは非常に難しくなっています。そのような想定不可能な環境に、可能な限り対応するように製作をするにはどうすれば良いのでしょうか?
ポイントは次にあげる2つであると思います。
1.標準に準拠したウェブ制作をする。
1つ目は、標準に準拠したウェブ制作をすることで、標準に準拠したブラウザでの閲覧はある程度担保できます。世界初のウェブページが、現在のモダンブラウザでも問題なく閲覧できるのは、標準に準拠したコーディングがされているからです。
2.未来にやさしいウェブ制作をする。
2つ目は、ユーザのスクリーンサイズとネット接続環境を例に考えてみましょう。日本では現在、固定幅でウェブサイトをデザインするのが主流ですが、それでは将来登場する未知のスクリーンサイズに対応できません。現に多くのウェブサイトはスマートフォンで閲覧すると、表示が小さくなりすぎて使い勝手が悪すぎます。また、ブロードバンドが普及して、Flashや画像を多用したウェブサイトが増えてきましたが、Flashが見られなかったりダウンロードに時間がかかりすぎてしまう場合があります。たとえばウェブサイトのレイアウトを可変にして、遅い回線を想定した制作が一般的だったとしたら、いまのインターネットの状況は大きく変わっていたでしょう。この「モバイルの波」は、環境に依存しすぎない柔軟な考えで行う。標準に準拠したウェブサイト制作を見直す良い機会なのかもしれません。このような政策の考え方を、「モバイル・ファースト」を提唱しいているLuke Wroblewski氏をはじめとする、主にアメリカのウェブ制作者が「Future Friendly(未来にやさしい)」と呼んでいます。
引用元:渡辺 竜 著 レスポンシブWebデザイン